極限No.6(ロピタルの定理)

今までは$\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}$が$\dfrac{0}{0}$になるとき、約分や有理化をすることで極限が求まりました。式変形が複雑なものもあり大変ですが、ロピタルの定理を使うと明快に解決できたりします。1回微分して値が出なければもう1回微分すればよいです。答えが出るまで何度でも微分しましょう。分数の微分ではなく、分母の微分と分子の微分をするということに留意しましょう。しかし、なんでもかんでもロピタルの定理が使えるわけではありません。使える条件があるのでしっかり整理しておきましょう。

                                            ロピタルの定理
$f(x), g(x)$が$x=a$を含む区間で微分可能で
$$\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f'(x)}{g'(x)}=t(有限確定値)ならば、\displaystyle\lim_{x\to a}\dfrac{f(x)}{g(x)}=t$$
となる。
では、ロピタルの定理を使う問題を見ていきましょう。
以下の極限値を求めよ。
(1) $\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{x-\sin x}{x^3}$
(2) $\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{x}$
いずれもロピタルの定理を使える条件を満たしていることを確認する必要があります。今回は満たしていますね。では、ロピタルの定理を使って解いていきましょう。
(1) $$\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{x-\sin x}{x^3}=\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{1-\cos x}{3x^2}$$
$$=\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{6x}$$
$$=\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{\sin x}{x}$$
$$=\dfrac{1}{6}\cdots\cdots(答)$$(2)$$\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\sin x}{x}=\displaystyle\lim_{x\to 0}\dfrac{\cos x}{x$$
$$=1\cdots\cdots(答)$$

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